現在売られている殆どのフライロッドは、数千円のものも、10万円以上のものも
4本継ぎのオーバーフェルールという、つなぎ目ごとにその部分が ロッドの
倍の硬さになり、太くなるという原始的な接続方法で作られたロッドです。
円錐状に丸めたブランクをつなぎ目ごとに被せて作るので太さやテーパーに
制約があり、例えば、9フィート6番のロッドでは数千円のものも10万円以上の
ものもテーパーデザインは同じものになるのが当然で交互に部品交換して
使用できるほどです。メーカー違いで同じ名がで同じ番手のロッドを
お持ちの方はぜひお試しください。
こちらの 2本のロッドは ブランド名は別ですが 中身や ケース テーパーもデザインも一緒でした!
下のロッドはダブルホールが出来ない、飛ばせないというお客様が持ち込んだ有名ブランドロッド。
どちらも同じ番手だが、片方は、USA老舗ブランド。
もう1本は北欧の優れたエンジニアリングスピリットで云々と宣伝されている、L社のものである。
当店では自身のブランドがあるので他社のロッドを見ることは多くはないが
同じ、9フィート4ピースの#6番ロッドを2本並べて見ることはまれである。
ご丁寧にメイド イン チャイナのタグが誇らしげだ。
外観は下の通り、ブランクカラーやリールシートこそ違うがグリップやサイズ。
使用しているガイドなども、外観形状、そしてテーパーデザインも一緒。
リールシートはそれぞれ違うものが付いてるので、バット部分は3gほどの差があるが
バット以外の残りの3本を軽量したところ、27.8gと全く同じ驚異的な数字を見せた。
ブランク形状、テーパーデザインも一緒で見事にがたつかない。メーカーとブランクカラーは
違うが破損したときは、差し替えて使える汎用性がある。出所が一緒という利点もある。
それにしても北欧の優れた云々というプライドは何処に行ったのか、最近は本当の意味で使う人のこと。
あるいはロッドを作る人自身が自分のために、良い材料、良いガイド、良い性能を求めて作ることがなくなった。
韓国からさらに安い中国で同じものを使いながら、他のメーカーとは一線を画すため、ロッドカラーと
リールシートなどを変えているが、バレバレである。フライマンが、私のロッドはUSAの○○、北欧の○○と
胸を張ったところで同じ穴の狢である。
ブランクの肉厚は極めて薄い!日本の渓流竿とほとんど変わらないように 見えるほどだ。上記の外国ロッド2本を並べた写真でわかる通り、全く同じ ブランクの厚さと仕様である。 |
こちらは左の外国ロッドの1本とSchmitt6番を比較したもの 右がSchmitt6番。安心と信頼のブランクの厚さであるが ロッドの重さは同じ6番の外国ロッドより軽い。 |
誤解しないように述べておきたいことがあるが、昔はよかったである。北欧の会社もUSAロッドも
こぞって、キャスティングの上手なテスターを使い、自社、あるいはそれらの国内にある
ブランクメーカーで競って性能の良いロッドを作っていた。コストも高いはずのニッケル仕上げの
市販価格¥¥8,000円前後のベリンジャークラスのリールシートなどは当たり前に使っていた。
当然、ブランクの品質も良くメーカーごとに個性も溢れていた。
さらには、リールシートの金具には誇らしげに自社の刻印のあるものも多かった。
それに付随して、自社開発と思われる素晴らしいフライリールも発売されていた。
日本でも、カプラス、アーティスト、UFMウエダ、レビューなどなどデザインや
性能競争の中にあり、経営者側自身が納得するものを作ることに一生懸命だったと信じてる。
フライフィッシングの後進国ながら、あるものは町工場を尋ねて自らの製品を送り出した。
日本製のフライリールは殆ど衰退したが、いつのころからか諸外国のフライリールや
日本のフライ販売メーカーも明らかにベースが同じものだとわかる韓国や中国製のフライリールを
スプールデザインを僅かに変えたり、ネーミングを変えたりで販売してるのが実態である。
その証拠に同サイズならスプールの互換性があるものが多く、ドラグシステムも
同様だ。
そして、フライロッドにおいても、ただ形だけのテーパーを持った安価な棒に過ぎなくなってきた。
それでも、各メーカーがオリジナルの、デザインや性能、コンセプトがあってやるのなら
ユーザーもA社がだめならB社を試すという選択があるが、A社のあるロッドとB社のあるロッドが
全く同じだったなどとなると、もはや名前だけが違うだけの同じ穴のむじなである。
この事実は、確証をもって言えるだけでなく、他のメーカーのものや、フライリールでも
ブランド名は違うが、さらなる同一商品をいくつも見つけることが出来たので
次に紹介することとしたい。
続きは また、、、、、、